Edgecore Networks社製無線LANアクセスポイントEAP101、EAP102をお使いで
アクセスポイントに繋がりにくいと感じる場合の調整項目について以下にご説明致します。
1. 無線LAN周波数帯域ごとの最大出力値の違いについて
Edgecore Networks社製無線LANアクセスポイントでは、周波数帯域ごとに、送信出力の最大値が異なっています。チャネル選択をAUTOに指定した場合、送信出力は決定されたチャネルにより変わります。使用するチャネルを固定することで、送信出力を最大化できます。EAP101で最大20dBm(100mW)まで、EAP102で最大で19dBm (79mW)まで出力を上げることが可能です。各機種ごとのチャネル別の最大送信出力値は以下になります。
表1:EAP101のチャネル別最大送信出力値
チャネル設定 |
最大送信出力 |
W52 (36ch-48ch) |
14dBm (25mW) |
W53 (52ch-64ch) |
14dBm (25mW) |
W56(100ch-128ch) |
20dBm (100mW) |
W56(132ch-144ch) |
20dBm (100mW) |
表2:EAP102のチャネル別最大送信出力値
チャネル設定 |
最大送信出力 |
W52 (36ch-48ch) |
11dBm (12mW) |
W53 (52ch-64ch) |
12dBm (15mW) |
W56(100ch-128ch) |
19dBm (79mW) |
W56(132ch-144ch) |
18dbm (63mW) |
2. 最小受信許容値について
最小受信許容値は、アクセスポイントがクライアントの接続を許容する最小のRSSI(受信信号強度)値となります。アクセスポイントはクライアントから受信するRSSIが指定した値を下回った場合、クライアントを切断する動作となります。最小信号許容値は、アクセスポイントの設置環境により、値を調整する必要があります。
アクセスポイントの設置密度が高い環境は、最小信号許容値を有効にすることにより、よりRSSIが高いアクセスポイントにローミングされるよう機能します。逆にアクセスポイントの設置密度が低い環境では、最小信号許容値を超えた場合、クライアントがアクセスポイントに接続できない現象となります。
バージョンごとのEAP102の最小信号許容値のデフォルト値は表3の通りです。
表3
firmwareバージョン |
最小信号許容値のデフォルト値 |
V12.3.1以前 |
-100dBm(無効) |
V12.4.0 |
-70dBm |
V12.4.5 |
-70dBm |
V12.4.7以降 |
-100dBm(無効) |
3. ビーコン送信間隔
アクセスポイントに接続する端末は、アクセスポイントからビーコンを収集してSSIDの状況やRSSIを把握します。
ビーコンの送信間隔が短いほど、端末はSSIDの情報などを取得しやすくなり、逆に長くするとSSIDの情報を取得しにくくなります。
EAPシリーズでは複数のSSIDを作成することができますが、ビーコンを送れる数に限りがあるため、複数のSSIDを作成した場合、ビーコン送信間隔が長くなります。
ビーコン送信間隔は、有効なSSID数により送信間隔の最小値が変わります。有効なSSID数ごとのビーコン送信間隔は、表4の通りです。
表4
有効なSSID数 |
ビーコン送信間隔 |
1~3 |
100ms |
4~7 |
250ms |
8~16 |
500ms |
4. 無線LANドライバ
アクセスポイントでの設定変更を行っても、接続状況が改善しない場合、クライアント端末の無線LANドライバのアップグレードをお試し下さい。アップグレードにより接続が改善する場合があります。